確定申告

【税金が還付・戻る】確定申告をしないと損をしてしまうパターンとは?

平成30年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告が平成31年(2019年)2月18日~3月15日までの期間に申告することになります。

なお、還付を受ける場合には、平成31年(2019年)2月15日(金)以前でも行う事が出来るため、既に提出されている方もいらっしゃるかと思います。

還付=税金が戻ってきます。

しかし、この還付を受けるには確定申告をしなければ税金は戻ってきません。本来、還付を受けられるのにそのまま確定申告をせず税金を納めっぱなしという方が多くいらっしゃるようです。

今回は、確定申告で還付を受けられるパターンを紹介していきます。

還付申告とは?

改めて、還付申告について説明していきます。

還付申告とは、確定申告を提出する義務のない方が確定申告をすることにより、源泉徴収された税金や予定納税した税金が納めすぎとなってしまっている場合に税金の還付を受けるための申告をいいます。

こちらの還付申告は任意となっているため、確定申告をしないと還付をうけることは出来ません。

還付を受けられるパターン

税金の還付を受けられる代表的なパターンを紹介していきます。

  1. 医療費が多額にかかってしまった場合【医療費控除】
  2. 盗難や災害などで資産に被害を受けてしまった場合【雑損控除】
  3. マイホームを新築、購入した場合など【住宅借入金等特別控除】
  4. 一定の寄付金を支払った場合、ふるさと納税をした場合【寄付金控除】
  5. 年の途中で退職した後に、就職しなかった方

 

医療費が多額にかかってしまった場合【医療費控除】

1年間に支払った医療費が一定額を超えるときは、その分を所得から控除することが出来ます。これを医療費控除といいます。

医療費控除の対象となる医療費の要件は以下の2つです。

①自己又は自己と生計を一にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費
②その年の1月1日から12月31日までの間に支払った医療費

また、医療費控除の対象となる金額は以下の式で計算された金額となります。

①医療費控除額=実際に支払った医療費の合計額-保険金などで補填される金額-10万円

こちらの計算式から、医療費控除を受けるには10万円が基準となります。

しかし、上記の式で差し引ている10万円は、その年の総所得金額等が200万円未満の方の場合には、総所得金額等の5%の金額となります。そのため、必ずしも10万円が医療費控除の基準となるわけではありません。

参考:国税庁HP(№1120医療費を支払ったとき)

盗難や災害などで資産に被害を受けてしまった場合【雑損控除】

火災や地震などの災害や盗難などの被害で、資産について損害を受けた場合等には、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを雑損控除といいます。

雑損控除の対象となる資産の要件は以下の通りです。

①資産の所有者が次のいずれかであること
納税者又は、納税者と生計を一にする配偶者やその他の親族で、その年の総所得金額等が38万円以下の者
②棚卸資産若しくは事業用固定資産等又は「生活に通常必要でない資産」のいずれにも該当しない資産であること。

「生活に通常必要でない資産」とは、別荘など趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で保有する不動産などが該当します。

雑損控除の対象となる損害の原因は次のいずれかの場合のみとなります。

①震災、風水害、冷害、雪害、落雷など自然現象の異変による災害
②火災、火薬類の爆発など人為による異常な災害
③害虫などの生物による異常な災害
④盗難、横領

詐欺や恐喝の場合には、雑損控除は受けらないため注意が必要です。

雑損控除の金額は次のいずれか多い方の金額となります。

①差引損失額-総所得金額等×10%
②差引損失額のうち災害関連支出の金額-5万円

また、こちらの雑損控除とは別にその年の所得金額の合計額が1000万円以下の人が災害にあった場合は、「災害減免法による所得税の軽減免除」という制度があります。納税者の選択によりどちらか有利な方法を選択することが出来ます。

参考:国税庁HP(№1110災害や盗難などで資産に損害を受けたとき)

マイホームを新築、購入した場合など【住宅借入金等特別控除】

個人が住宅ローン等を利用して、マイホームの新築、取得又は増改築等をした場合に適用できるのが住宅借入金特別控除です。

平成33年(2021年)12月31日までに自己の居住の用に供した場合で一定の要件を満たすときにおいて、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住の用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除します。

住宅借入金特別控除の額は、住宅ローン等の年末残高の合計額が住宅ローン等の年末残高の合計額よりも少ないときは、その取得等の対価の額又は費用の額を基に、居住の用に供した年分の計算方法により算出します。

こちらの住宅借入金特別控除の適用を受けるには要件がいくつかありますが、今回の記事では割愛させていただきます。(かなり長くなってしまうため)

給与所得者は、借入金特別控除を受ける1年目は、確定申告をする必要があります。2年目以降は、年末調整で必要な書類を勤務先に提出することにより、借入金特別控除の適用を受けることが出来ます。

参考:国税庁HP(№1213住宅を新築又は新築住宅を取得した場合【住宅借入金特別控除】)

一定の寄付金を支払った場合、ふるさと納税をした場合【寄付金控除】

国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、「特定寄附金」を支出した場合に所得控除を受けるができます。これを寄付金控除といいます。

寄付金控除の金額は以下の通りになります。

次のいずれか低い金額-2千円=寄付金控除額
①その年に支出した特定寄付金の額の合計額
②その年の総所得金額等の40%相当額

なお、ふるさと納税をした場合でワンストップ特例制度を利用している場合には、確定申告は不要となります。ワンストップ特例制度を利用するとふるさと納税をした翌年の住民税から減額されることとなります。

ただし、確定申告をされる方については、ふるさと納税の寄付金控除の額を確定申告に入れる必要があるため注意が必要です。
ワンストップ特例制度の申請書を提出していても、確定申告書を提出するとワンストップ特例制度は無効となります。

参考:国税庁HP(№1150一定の寄付金を支払ったとき【寄付金控除】)

年の途中で退職した後に、就職しなかった方

給与所得者の方は、毎月の給与から所得税が源泉徴収されています。この引かれている金額は、あくまで概算の税金のため、給与所得者の場合は年末調整で1年間の税金を確定させる必要があります。

しかし、途中で退職した後に再就職されたかった方については、年末調整を受けられません。毎月引かれる所得税については、年間を通して働くことを想定しているため、途中で退職し再就職しなかった場合には、多く税金が引かれているのが一般的です。

納め過ぎてしまった税金は、確定申告して還付を受けましょう。

まとめ

税金の還付が受けられるのにも関わらず、確定申告をせず税金を納めっぱなしというのは非常に勿体無いです。還付に該当するかは、税務署などから通知が来る事はなく自分自身で気付く必要があります。

今回解説したパターンやそれ以外の還付申告に該当していないか確認をして、損をしないために確定申告をしていきましょう。